キミと帰る道
*
学校の校門の隣にある大きな桜の木から
ひらひらと花びらが舞っている。
やっぱり、春はなんだかうきうきする。
下駄箱の前にあるボードには、新高校2年生のクラス表が貼ってあって。
そこを取り囲むように、いろんな人たちがザワザワとしながらクラス表で自分の名前を探している。
「うわ。 もう少し早く来れば良かったね」
そんなたくさんの人を見て、優芽ちゃんはあからさまに嫌そうな顔をした。
「早く見つけちゃおう!」
「そうだね。
…って言っても、見にくい!」
…えっと、私の名前は…。
少し背伸びをしながら、1組から女子の出席番号の1番を見て隣のクラスに視線を移す。
〝逢原〟だから、大抵は女子の出席番号は1番。
だから、なんだかんだ言って探すのは楽かも。
でも、いつも新学期の最初は1番前って言うのはちょっと飽きちゃったけど。