キミと帰る道
ふたりの少し後に私と優芽ちゃんも階段をのぼって行く。
いまはとにかく、新しいクラスがどんなクラスになるかドキドキだよ。
沖縄の修学旅行、優芽ちゃんと同じ班になりたいな。
本当は聖羅ちゃんもいれば、もっと楽しいんだけどね。
「そーいえば。
藤谷くんのことは…忘れたの?」
「…っへ!? あ、うん…」
———たぶん、だけど。
私は藤谷くんのことを忘れられてると思う。
「それならよかったね。
…向こうは、すずのこと覚えてんのかな?」
「忘れてるといいな……」
それが唯一の救いだよ。
向こうが忘れてるなら。
私は、本当に藤谷くんのことを忘れられるもん。
それになんかもうスッキリしてるかも。
これでいいんだって思える。
…新しい恋が始められるといいな。
そしたら、もっとスッキリするのに。