キミと帰る道






俺はどんなに忘れようとしても。
さっきみたいに、ふと思い出すんだ。





だって顔は忘れたとしても。
気持ちはまだ……忘れられないから。





このまま忘れちゃえばどんなに楽なことなんだろうか。
でも忘れたくもないんだよ。





———初めての恋、だった。





手に入れてしまいたいと言うか。
そばにいてただ笑って欲しかった。





でも俺は傷つけたくもなくて。
…こんな自分がよくわからない。





突き放したことも。
……聖羅を傷つけたくなかっただけだけど。





聖羅に怒られたし。
『そんなのダメだよ』って…。








たとえもう遅くても。





………伝えたい。





きっともう俺のことなんてなんとでも思ってないとしても。
それでも、いい。





この気持ちを忘れちゃいたいし。
変な罪悪感も消し去りたいし。





…すずに、この気持ちを伝えたい。





それがたとえ聖羅を傷つけることになっても。
自分の気持ちには素直になりたい。





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