キミと帰る道
「屋上から戻って来てから、ずっとそんな感じじゃん。 なにかあったの?」
……言おうか迷ってたけど。
優芽ちゃん、心配してくれてるんだし。
…言ったほうが、いいよね?
「あのね? 屋上で藤谷くんに会った…」
「え?! そうなの?」
想定した通り、優芽ちゃんは驚いた表情を私に見せた。
「うん。 それでね、あのときのことは忘れてって言われた」
「あのときって、『関わらないで』ってやつだよね?
でも…どうして急に…」
優芽ちゃんはその理由を考えるように、首を傾げた。
でもなにか思いついたのか、『あ』と小さな声を出した。
「まさか……」
「たぶん、聖羅ちゃん…」
「そっか…。
でもさ、藤谷くんも自分の気持ちに正直になろうと決めたんだよ」
藤谷くんが自分の気持ちに?
…なんの気持ち?
私は頭に〝?〟を浮かべて、首を傾げた。