キミと帰る道





「とにかく、光輝まだ教室にいたよ?
すずちゃんから迎えに行ってあげなね?」




「っえ? で、でも…!」




「行ってらっしゃい、すずちゃん!」





荷物を持った私の背中を、そっとドアのほうに押し出してくれる聖羅ちゃん。





優しすぎるよ……!






「じゃあ、…また明日ね!」





ふたりに手をふって。
ぎこちない足取りで隣のクラスに向かう。





聖羅ちゃんもそう言ってくれてるんだし。
いいよね?藤谷くんと帰って…。





…ああ、もうダメだなあ。
溢れさせないようにするって決めてたのに。





———私、すごくドキドキしてる。






たとえそれが緊張からでも。
藤谷くんと話せること、一緒に帰れることに。
とにかくドキドキしてるよ。






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