キミと帰る道
◇18 放課後の悪夢
【◇18 放課後の悪夢】





(すず)





灰色とオレンジ色の混ざったコンクリートに黒い影がふたつ並ぶ。
だけどやっぱり、ふたりの距離は〝友達〟の距離。





「……」




「……」





どうしよう。
なにも話題が見つけられない…。





「あのさ」





困ってる私の耳に、優しい低音の声が聞こえた。





「…な、なに?」




「すずの気持ちは…変わった?」




「へ? わ、私の…気持ち?」




「ん、そう」





……それって、『好き』っていう恋愛感情のことだよね…?





そんなの、忘れられなくて困るくらいだよ。
忘れたいのに、気持ちも記憶もほんの少ししか消えてない。





だから私は小さく首を横に振った。





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