キミと帰る道
そのまま立ち止まったまま少し話してると。
ガラガラッ———。
どこからか、なにかが転がる音がした。
「危ない…っ!」
数人のそんな声も聞こえて、ふと隣に建つビルの屋上を見上げると。
まるでスローモーションのようになにか細いものが落ちてきた。
夕日がまぶしくて思わず目を瞑る。
だけど落ちてくるたくさんのものがようやくわかって。
…逃げなきゃなのに。
怖くて、足がすくむ。
…どうしよう……っ。
このままじゃ、たくさんの角材の下敷きになる…!
だけど、足が動かない。
怖い…。
「すず…!」
「っきゃあ! 藤谷…くん?!」
藤谷くんの声が聞こえたあと、ガラガラッと騒音が聞こえて。
気がついたらドンッと前から藤谷くんに押されていて。
…私は倒れながら目をゆっくり開く。
「…いたっ」
尻もちをついてお尻が痛いけど。
すぐに目の前の光景を見て、私は思い切り目を見開いた。