キミと帰る道
「私、また覚えてもらいます。
…藤谷くんが〝迷惑だ〟って言ったとしても」
私は涙を堪えて顔を上げて。
しっかりと藤谷くんを見つめる。
諦めちゃダメなんだって。
辛いから逃げちゃダメなんだって。
…前、決めたもん。
ここで終わらしたくない。
いつまでもクヨクヨしたくない。
———あの告白は幻だったんだって。
そう、思うしかないことだけど。
だって、藤谷くんの記憶も気持ちも戻るかなんてわかんないから。
…だけど、もしまた覚えてくれるなら。
それか、思い出してくれるなら。
それがたとえ小さな希望でも。
…私は、また最初の一歩から歩み出す。