キミと帰る道
相変わらず不思議そうな顔で私を見つめてくるけど。
そんなのは気づかないフリをして、端にあるパイプイスを広げて、ベッドの脇に座った。
「あのね。
藤谷くんにプレゼント持ってきたんだ!」
私はふふっと笑って、バックの中から小さな袋を取り出して、藤谷くんに渡した。
「……なにこれ?」
袋の中にある小さなタネを取り出した藤谷くんは、『よくわからない』とでも言うような顔をした。
「藤谷くん…知ってる?」
「これ? …ひまわりのタネだろ?」
「ううん、そうじゃなくて。
…ひまわりの花言葉」
私はイスから立ち上がって、大きく開かれた窓に手をかけて空を見上げる。
「……知らない」
冷たい声を聞くと。
やっぱり、寂しいなあと感じる。
また穏やかな声を聞きたい。
柔らかい笑顔を見たい。
それに……前の藤谷くんに戻って欲しいって。
あの…告白の日に戻って欲しいって思っちゃうよ。