キミと帰る道
*
———今日も晴天だ。
澄み渡るような青に少しだけ白を乗せた空。
街路樹にはまた緑の葉がたくさん生い茂って。
少し生ぬるい風が吹くと、ざわざわと音を鳴らしながら揺れる。
「すず!おはよー!」
「あ、優芽ちゃん! おはよ〜」
いつも通りの朝。
優芽ちゃんが後ろから来て、今日も私の隣に並んだ。
「聖羅ってば、宿題終わってないから先に学校に行ったってさ〜」
「そうなんだ!」
学校生活は楽しい。
聖羅ちゃんは違うクラスだけど、休み時間のたびにお互いのクラスに行って話してるし。
…でもやっぱり、光輝くんがいないと。
なんだか寂しいや。
それは光輝くんのクラスの子たちも思ってるんだと思う。
みんな、光輝くんと楽しそうに話してたし……。
6月下旬になって。
梅雨ももう少しで明けそうで。
光輝くんの病室にある植木鉢には。
ひまわりの芽がちょこっと出ていて。
もうすぐ夏がやってくる。
…そんな気がする。