キミと帰る道
*
キーンコーン———。
帰りのHRの終わるチャイムが校舎に響く。
みんなのイスから立ち上がる音がガタガタと教室に響く。
———そんな、いつもの放課後。
「すず、かーえろ!」
「うんっ」
優芽ちゃんが私の席のところに、荷物を持ってやって来た。
私は荷物を肩にかけて、優芽ちゃんと一緒に教室を出る。
そして、隣のクラスを覗く。
……この、同じ作りなのに異世界を見ているような感じは。
藤谷くんと初めて話したときと、同じだ。
もう、あれからかなり経つんだなあって思うと。
なんだか、懐かしくなったりもする。
「聖羅ー!」
「聖羅ちゃーんっ」
前のドアから、聖羅ちゃんをふたりで呼ぶと。
そのクラスの何人かが、私たちのほうをチラッと見てくる。
大声出してるから、かな。
「お待たせ〜」
聖羅ちゃんはにこっと笑いながら、私たちのところへ小走りで来た。