キミと帰る道
「光輝に会うの久しぶりだな〜。
この頃、部活で忙しかったし…。
すずちゃん! 光輝、元気そうだった?」
ざわつく廊下の人混みを掻き分けながら、昇降口に向かって話しながら歩いて行く。
「うん! 光輝くん、元気そうだよ」
「…あれ? いつの間にか名前呼びしてたんだ!」
「……っあ」
優芽ちゃんと聖羅ちゃんには、なんだかいま更な感じがして、恥ずかしくて。
光輝くんの話題を出すときも、『藤谷くん』って呼んでたけど。
つい、いつも名前で呼んでたからいまもそう呼んじゃった。
「ふふ。 仲良くなったのかな?」
聖羅ちゃんが、嬉しそうに笑う。
そして優芽ちゃんと顔を見合わせて、また花が綻ぶように、ふたりして笑った。
「すず、がんばってんじゃん」
「あ、ありがとう…」
「すずちゃん、顔赤い!」
「っえ!」
ほっぺが熱くなる。
…恥ずかしすぎる。
も、もう仕方ないけど!