キミと帰る道





「———って。
聖羅とあたしがすずを独り占めしちゃダメだね?

すず、光輝くんと…もっと話して来なよ?」





優芽ちゃんに続いて、聖羅ちゃんも『そうだよ』って。
私の背中と光輝くんの背中を押した。






…そう、光輝くんは。
地方の大学に行っちゃうんだ。





しかも出発は……今日。
このあと、すぐに行っちゃうんだ。





でもね。
中々会えなくなってもね。
もう…〝初めまして〟は繰り返さないと思うんだ。





だって毎日だってしつこいくらいに電話するもん。





———だけど。
やっぱり、さみしいや。
この1年間、ずーっと隣にいてくれたから。





本当はね、ものすごく泣きたいんだ。
だけどまた会えることを信じて。
私は、泣かないよ…。





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