キミと帰る道
確かに冷たかったけど…。
ふつうの男の子だったよね。
ただ…顔が覚えられないって言ってたけど。
別に深刻そうにもしてなかったしなあ。
あー…頭の中が藤谷くんでいっぱいだよ。
もっともっと気になってきちゃった。
…どんな人なんだろう、って。
もっと仲良くなりたいって。
そんな欲が芽生えて来ちゃう。
…こんなの、藤谷くんに迷惑なのかな?
迷惑だったら、どうしよう。
私の一方的な気持ちで、一緒に帰ったりして……。
あーダメダメ!
悪い方向になんか考えちゃダメ。
藤谷くんだって、迷惑ならもっと嫌そうな顔をするだろうし。
それに、ちゃんと口で断ると思うもん。
だから、言わないってことは…。
いいんだよね…?