キミと帰る道











次の日のお昼休み。
お弁当を急いでかきこんだ私は隣のクラスをドアから覗いていた。





んー、藤谷くんはどこだろう?





「すずちゃん? 誰か呼ぶ?」





後ろを振り返ると、友達とこの教室に戻ってきたであろう、あみちゃんが首を傾げて立っていた。





「えと、藤谷くん…いる?」




「さっき、屋上に行く階段上ってたよ」




「そっか! あみちゃん、ありがとうっ」





また屋上にいるんだ…。
確かに、屋上に行く人って少ないし。
藤谷くん的に…ひとりになれていい場所なのかな?





ひとりが好きで。
もし私が邪魔したら…。





ううん、大丈夫。
迷惑だとしても諦めないし、早くこの話をしなきゃ…!





ネットのモノをコピーした紙をぎゅっと握りしめて、少し早足で屋上に向かう。





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