キミと帰る道
俺と逢原は友達らしいし。
それにいつも一緒に帰ってるって言ってた。
それすら忘れてしまう俺は…最低なやつだよな。
目の前にいる、俺を光へと導いてくれるのであろう逢原のことを。
いま忘れないと思ってても。
きっと…数時間したら、記憶から零れ落ちていってしまうんだ。
「ねえ、病院にいって…専門の人にちゃんと聞いたほうがいいと思うの」
そんな真剣な瞳で言ってくるから。
ちゃんと俺のことを考えてくれてるんだってものすごく伝わってくる。
「…大丈夫だろうから、行かねぇよ」
「なんで⁉︎
行ったほうがいいよ!」
この…〝失顔症〟が大丈夫じゃないモノはわかってるけど。
病院は怖い。
だから、行きたくない。