キミと帰る道
それに…母さんたちにも迷惑はかけたくないんだ。
せっかく俺のことを思って言ってくれてる逢原には悪いけど。
「行こうよ?
…ほら、お母さんにもこの紙をみせれば…」
「行かないっつってんだろ…」
俺が力強く言うと、逢原の表情は少し強張った。
…女は幼なじみしか知らないから。
どう扱えばいいかなんて…わかんねぇよ。
いまにも泣きそうな顔になる逢原になんて言えばいいのかも……。
だけど、俺は。
「……行きたくないんだよ」
さっきよりも小さな小さな声で呟く。
『行かない』んじゃない。
『行けない』んだ。
———行くのが怖いんだ……。