キミと帰る道
「…俺は、最低なやつなんだよ」
この大きな青い空に消えていく俺の声。
……華菜も聞いているのだろうか。
ごめんな。
何回謝っても、もう届かない。
たった5歳で亡くなってしまったのが、悔しくて可哀想で。
もっといろんなモノを見せてやりたかった。
もっといろんな気持ちを知らせてあげたかった。
…だけどそれは、もう叶わないこと。
「ばかじゃないの⁉︎」
隣から聞こえた、震えた声。
それは予想外の言葉だった。
てっきり…肯定するかと思ったのに。
肯定でも否定でもない言葉。
「は?」
「華菜ちゃんが、可哀想だよ…!
それは事故だったんでしょ? なのにいつまでも引きずってて…ばかみたいだよ」
……引きずることが『ばかみたい』?