キミと帰る道
「隣のクラスに、いるけど…。
藤谷くんとは知り合い…?」
「うん。 幼なじみなのよ」
幼なじみになりたいと思った。
藤谷くんの大切な人になりたいと思った。
…だけど、聖羅ちゃんなら…諦めがついたっていうか。
叶わないってハッキリ思い知らされた感じがする…。
「そう、なんだ…」
「ねえ、光輝が人のこと覚えられないのって知ってる?」
私は聖羅ちゃんの問いかけに、力なくコクンと頷いた。
「私…ね、藤谷くんの病気のこと知りながら、仲良くなろうと思ってた。
藤谷くんの話し相手になってあげようって。
だけど…もう聖羅ちゃんがいるから、平気だね」
笑えてるかわかんないけど。
それでも、自分なりの精いっぱいの笑顔を見せる。