キミと帰る道
「ほら、藤谷くんにも悪いしさ。
ふたりで行きなよ?」
「えー! 光輝、いいよね?」
「……まあ、いいけど」
違くて…!
確かに藤谷くんにも悪いけど。
周りからの目が痛いんだよ。
なんであのふたりといるの?って。
あのふたりの邪魔してるの?って、そう思われてそうで。
不意に藤谷くんをチラッと見ると。
ポケットからスマホを取り出して、いじりだした。
……あれ?
私の…鈴のキーホルダーは?
「すずちゃん?」
「へっ?」
「この頃、ぼーっとしてるね。
変なすずちゃん」
「…そう、かな?」
無理に笑顔を作りながらも、横目ではスマホについていたはずの鈴を探す。
もう…外しちゃったのかな。
揺らすたびに音が鳴るから。
うるさくて…外しちゃったんだね、きっと。