キミと帰る道
「すず……」
悲しそうな声で優芽ちゃんは私の名前を呟いた。
静かな静かな階段には私の泣く声が微かに響く。
気持ちが溢れちゃいそうで。
だけどそんなことをしたら、友情は壊れちゃうんだ。
私にとって…聖羅ちゃんは大切な友達だから。
壊したくないんだよ…。
「すずは、どうしたいの…?」
「私は、…私は……」
———どうしたいんだろう?
どうすればいいのかがわからなくて、そんなこと考えてなかった。
「友達と好きな人の前に。
すずは、好きな人ができたら…どうしたい?」
「そんなの…、無理ってわかってても…当たって砕けたいよ…?」
「だったら、そうすればいいじゃない」
「…っ無理じゃん!」