キミと帰る道





はぁ、とため息を吐きながら席に着いてお弁当を机に広げる。





優芽ちゃんもイスを持って私の机にお弁当を広げる。





「大丈夫?」





優芽ちゃんは本当に心配そうな顔をして、私の顔を覗き込んだ。





「…ん、一応」




「まあ、聖羅も悪い子じゃないからこそ、難しいよね…」





優芽ちゃんの言う通り。
聖羅ちゃんは本当に優しい子だから、余計動きにくいんだ。





奪うつもりなんてさらさらない。
だけど、告白するだけでも…聖羅ちゃんの目を気にしなきゃいけない。





「ほんと…難しいよ」





そんな小さく呟いた言葉は、ざわざわとしている教室に消えていった。





恋って難しい。
自分を覚えてもらうって難しい。





友情と恋愛が交わると…大変だ。





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