キミと帰る道
◆9 恋愛対象
【◆9 恋愛対象】





(聖羅)





いつも隣には、人を覚えられない幼なじみがいた。





光輝はものすごく気にしてたけど。





あたしは……正直、それが嬉しかった。





だって、生まれたときからずっとそばにいて。
あたしが泣いてるときはヒーローみたいに助けてくれて。





気がついたら…好きになってた。





だから好都合だったんだ。
だって光輝の恋愛対象は、あたししかいないことになるから。





光輝が知ってる女の子は、あたししかいないから。





だから…あたしがロサンゼルスに引っ越すことになっても、大丈夫だって思ってた。





……ちゃんと、光輝のそばにいればよかった。





< 91 / 228 >

この作品をシェア

pagetop