キミと帰る道





「あ…。 あたし、すずを追いかけるから!」





焦ったような顔をした優芽ちゃんが、走って教室を出たすずちゃんを追いかるために、早足で教室を出て行ってしまって。




教室にはあたしと光輝しかいない。





……気まずい。





「こ…光輝!」




「…ん?」




「光輝の恋愛対象はあたししかいないよね?
だから…そばにいてくれるよね?」





ものすごく不安だから、そんなことしか聞けない。
光輝を束縛することしか思いつかない。





だってあたし…光輝がいなきゃダメだもん。





だから、頷いて?
ねえ!光輝……。





どんなにそう願っても、光輝は頷かないで。
すずちゃんが出て行った教室のドアを見つめていた。





…あたしは、ここにいるのに。
光輝には誰が見えてるの…?





< 92 / 228 >

この作品をシェア

pagetop