キミと帰る道
はぁ、とまたため息を吐くと。
後ろからバタバタと走ってくる音が聞こえて。
私には関係ないと思いながら、重い足をがんばって学校のある方向へと動かして行く。
「すずちゃーん! おっはよ!」
はぁはぁと息を切らしながら、見たことないくらい晴れやかな笑顔をした聖羅ちゃんが、私の隣に来た。
「聖羅、ちゃん…?」
辺りを見回しても。
いつも一緒に登校していた藤谷くんの姿は見当たらない。
「あたし、すずちゃんのことが大好きだから、光輝とは別れたよ?」
「…え…?」
にっこりと笑う聖羅ちゃんの笑顔には、裏がなくて。
その言葉は本当なんだとわかった。
でも藤谷くんは…聖羅ちゃんのことが好きなはずなのに…?
「すずちゃん。
光輝が覚えるのには…時間がかかるかもしれないけど。
がんばろう?」
「…なんで、私のためにそこまで……」
藤谷くんのことが好きなんじゃないの?
だから昨日の放課後………。