【短編】焼き芋と土曜日
テレビの電源を入れた。

チャンネルをぐるぐる回し、適当にとめる。

その番組を、しばらくぼんやりと眺めていた。

「お腹、空いたなぁ」

自分の身体の中から、ぐぅ、という音が聞こえた。

立ち上がって冷蔵庫を開けるが、何も入っていない。

当たり前だ。

わたしが何も買っていないのだから。

コンビニにでも行こうかと考えたが、なんだか面倒になってまた、ベッドの上に戻った。

このまま眠ってしまおう。

怠惰な選択をしてみるも、眠りの気配は一向に訪れない。

どうやら、ベッドにまで見放されたようだ。

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