【短編】焼き芋と土曜日
この一週間、わたしは何のために生きていたのだろう。

そんなことを考えれば、答えはきっと悲しみだけ。

洗面所に向かって、冷たい水で顔を洗った。

これで、ちょっとはすっきりした。

あとは、何かお腹に入れなければ。

脱ぎっぱなしになって部屋の隅で丸まっていたジーンズに足を通し、

寝巻き代わりのロンTの上から辛子色のセーターをかぶった。

コンビニに行って何を買おう?

お弁当?

サンドイッチ?

スープパスタ?

どれもこれも捨てがたい。

バッグから財布を取り出し、玄関を開けると懐かしい声が聞こえた。

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