【短編】焼き芋と土曜日
「いーしやーきいもー」

その瞬間、わたしはコンビニとは逆方向に歩き出す。

先程までの案件は全て却下。

新メニューに決まりました。

脳の中で、会議が終了。

自然と、早足になってくる。

角を曲がると、屋台が見えた。

ゆっくり、ゆっくりとこちらに向かって歩いてくる。

あんまり若い人だと、ちょっと買いづらいな。

そんなことを思ってしまうのは、わたしもまだまだ女の子ということなのだろうか。

とにかく、焼き芋屋さんは、おじさんに限る。

そのほうが、おいしそうだ。

職人ぽくって。

< 5 / 14 >

この作品をシェア

pagetop