それでもずっと、君を愛す。

輝く道と痛い棘



期末テストが終わって早1週間。



時が経つのは早いもので。



何事もなく、平穏に時が経っていった。



……と思ったのは束の間。




私たちには、「文化祭」というものが待っていた。




LHRのこの時間は、文化祭の役員決めで賑わっていた。



「まず始めは実行委員からだな!」




ちょっと待って…嫌な予感しかしないんだけど…



「ここは長谷川!頼んだな。期末も頑張っていたみたいだし、みんなの信頼も高いしな!」



ほらなんで…。



そりゃみんなから信頼されて、先生からも信頼されて、なんて嬉しいことはないけどさぁ?

何も私ばっかに押し付けることもないでしょうに…



でも断る術もなく、「はい…。」と答えるしかないんだけど。



あぁ、もう頼るは男子のみ…。



誰か、誰か頼れる人を…。



「じゃあ男子の実行委員は……」



「はい、僕やります。」



ああ、助かった…



真面目そうな好青年で。



「じゃあ富谷。頼んだぞ。」



へえ、富谷君か…。




ん??富谷ってまさか、富谷遥樹じゃないよ…ね…?



恐る恐る、声のした方を向く。



ううん、見間違いじゃない。



あれは、…富谷遥樹だ!




なんで、なんでよぉ!



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