嫌われ者に恋をしました

 隼人のマンションに戻って来て駐車場に車を停めると、後ろに乗せていた雪菜の大きなバッグを隼人が持ってくれた。

「何が入ってんの?ずいぶん重いね」

「ああ、えっと、なんかいろいろ入れてしまって……」

「冗談抜きで、休みの間ずっとうちにいていいからね」

「ええっ!いえ、そういうつもりでは……」

 でも、休みの間過ごせるくらいの荷物は入っているかも……。迷った挙句、結局いろいろ入れてしまったから。

 隼人はエントランスに行くと一回外に出て、オートロックの開け方を雪菜に説明した。オートロックの家に入るなんて初めてで、雪菜は説明を聞いておいて良かったと思った。

 再びやってきた隼人の家。雪菜にとっては相変わらず広かったが、少し目が慣れてきたようで、最初ほどの驚きは感じなかった。

「……おじゃまします」

 サンダルを脱いで一歩足を踏み入れたら、床のヒンヤリした感触を足の裏に感じて、なぜか急に緊張した。

 そういえば帰ったら鯖折りの刑が待っていたような……。

 雪菜がドキドキしながらそんなことを考えているとは露知らず、隼人はさっさとリビングに行ってソファにバッグを置いた。
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