嫌われ者に恋をしました
リビングに戻ると、隼人は雪菜を見て微笑んだ。
「疲れた?先に寝てる?」
「い、いえ。ここで待ってます」
「そう?わかった」
そう言うと隼人は風呂場に消えた。
また眼鏡をかけていない隼人を見れると思ったらドキドキした。眼鏡をかけていてもかっこいいけれど、眼鏡を外すとなぜか格別な魅力を感じてしまう。
気持ちの整理がつかない割に、雪菜は隼人をどこか待ちわびているような気持ちになった。下着はいちおう上下お揃いにしてみたけど、暗かったらわからないのかなとか、暗くしてくれるのかなとか、一人ソファに座って悶々としてしまった。
「お待たせ」
この間と同じように、タオルで頭を拭きながら隼人が戻ってきた。やっぱり眼鏡はかけていない。
「は、早いですね?」
「そう?まあ、女の子に比べたら早いかもしれないけど」
眼鏡がない隼人をじっと見たかったのに、じっと見る間もなく隼人は雪菜の手を強く握ってソファから引っ張り上げた。
「行こ」
そう言うと隼人はリビングの電気を消して、雪菜の手をぐいぐい引いて寝室に向かった。
どうしよう……。いつもと違って、強引な感じ。もう、固まってもやめてくれないかもしれない。
隼人は寝室に入って扉をバタンと閉めると、雪菜をベッドに座らせて、雪菜の肩を両手で掴んだ。急に掴まれてビクンとして、息を吸うのもままならない状態でいたら、隼人は雪菜の正面に立て膝で立った。
「さて」
「?」
「教えてもらおうか」
「えっ?」
なんか話をしようとしている感じ?なんだろう。