嫌われ者に恋をしました

「痛いことって何?」

 隼人は普通に、何言ってんのかわかんないと言う感じで聞いてきた。

「……なんでもありません」

「痛いのが嫌なの?」

 雪菜は黙ってうなずいた。隼人は雪菜の額に自分の額をコツンとあてた。

「……何されたのかは聞かない。でも俺、あいつやっぱり許せないよ」

「え?」

「痛いことなんか絶対にしない」

「……」

「他に怖いことはある?教えて?」

 雪菜は小さく首を振った。

「本当に?」

「はい」

「痛くなかったら、怖くない?」

「……はい」
< 212 / 409 >

この作品をシェア

pagetop