嫌われ者に恋をしました

「……抱いてもいい?」

 雪菜はうなずいた。

「少しでも痛かったら言って」

 隼人は立ち上がって電気を消すと、雪菜の所に戻ってきて、もう一度肩を掴むとそっとキスをした。

 隼人のキスは柔らかくて優しくて、何度も重ねるキスに雪菜はどんどん力が抜けていった。

 怖いと思っていたことなんて、あっという間に忘れて夢中になっていく。

 優しくキスをしたまま、隼人は雪菜をベッドにそっと倒した。

 ベッドに倒された途端、キスが深くなって無我夢中で隼人の服にしがみ付いた。

 大きな手が体を撫でていく。肩、胸、脇腹。そっと指が触れるたびに反応してしまって、そのたびに「痛い?」と聞かれて首を振った。

 そっと触れる隼人の優しい指の動きに翻弄されて、だんだん意識が遠退いて、空気があるのに溺れているみたいだった。
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