嫌われ者に恋をしました

 すうっと肌を指が滑って、少しずつ服を脱がされていることに気がついた。

 でも、恥ずかしいとか思う余裕もなく隼人の指先に反応してしまい、どんどんわけがわからなくなっていく。

 唇が肌に落ちるたびに体を捩った。漏れる吐息をなんとか堪える。

「我慢しないで、声聞かせて」

 そんなこと、耳元で言われたら困る……。

 瀬川さんはこんなことしなかった。全然痛くないけど、すごく甘くて苦しい。息もままならない。

 こんなの初めて。自分がどうなっているのかわからない。

 どうしたらいいのかわからない。

 ……どうしよう。

 助けを求めるように必死に見上げると、じっと見つめる隼人と目が合った。
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