嫌われ者に恋をしました

 隼人の胸に頬を擦り寄せて、そっと唇を付けたら、ぎゅうっと抱き締められた。

「もう一度してほしいの?」

「え?えっと……」

「でも雪菜、全速力で走った後みたいになっちゃうからな」

「あんなことになったのは、初めてです」

「……そうなの?」

「はい」

「それは嬉しいね」

「私も嬉しいのです」

 そう言って雪菜は隼人に抱きついた。

「雪菜、かわいい」

 隼人は雪菜を抱き締めて髪にキスをした。

 しっとりとした肌の弾力と、抱き締められて包まれている感じが幸せで、まぶたがだんだん重くなって、雪菜はストンと眠りに落ちてしまった。
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