嫌われ者に恋をしました
困ったような顔する雪菜を見ながら、ごろんとうつ伏せにして、もう一度背中を見た。
雪菜は抵抗せず、されるがまま大人しくしていた。
そっと背中を撫でる。
本当に痕なんてほとんどわからない。
でも、煙草の痕と言われれば確かにそうも見える。
すごく痛かったんじゃないのか。幼い雪菜がどんな思いで痛みに耐えていたのかを思うと、悲しくなって胸が痛んだ。
傷痕にそっと口づけて体を起こした。
このまま夢中になって右も左もわからなくなる前に、雪菜に伝えておきたいことがある。