嫌われ者に恋をしました

 隼人は抱き締める腕に力を入れて、うなじに顔を埋めた。雪菜は本当に気にしないのかな?と思いながらそのくすぐったさを感じていた。

「雪菜の家に来た理由はもう一つあるんだ」

 首筋に顔を埋めたまま隼人が喋ったから、くすぐったくて雪菜は少し身を捩った。

「……そうなんですか?」

「いや、一度ね、泊まってみたかったんだ。女の子の家」

「泊まったことなかったんですか?」

「うん」

 今までお付き合いした人はみんな実家住まいだったんだろうか。ちゃんとした家の人ばかりだったのかな。

 そんなことを思ったら、少し劣等感を感じるような、でも初めてのお泊まりは私の家なんだと優越感を持つような、複雑な気持ちになった。
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