嫌われ者に恋をしました
雪菜は夢中になりつつ、自分の言葉が隼人の心に火をつけたことを嬉しく感じていた。
隼人さんと同じ快感を共有してる。すごく幸せ。この気持ちを伝えたい。
「……」
「雪菜?」
「すごく、……しあわせ」
「雪菜……」
さっきまであんなに恥ずかしかったのに、自分の気持ちを言えてしまう自分が不思議だった。
でも、感じたことを感じたまま言葉にしたら、心を奥まで見せているような解放感があって、そんな風に隼人を信頼できている自分に幸せを感じた。
そして、自分の言葉に隼人が反応するのが嬉しくて、もっと言いたくなった。
「好き……、隼人さんが、大好き」
「それ、もうヤバイから!」
汗ばむ肌と体の重さを感じながら、雪菜はぼんやりと我慢なんて忘れて声を出してしまったことを思い出していた。
しばらくすると隼人は半身を起こして雪菜にキスをした。
「声、……聞こえちゃったかもな」
雪菜は両手で顔を覆った。
「……すごく恥ずかしい、です」
「雪菜、かわいいっ」
隼人はぎゅうぎゅうと強く抱き締めた。少し息苦しくて心地よい圧迫感と一緒に、隼人の香りがした。
包まれている感じが幸せで、雪菜はいつの間にか吸い込まれるように意識を手放してしまった。