嫌われ者に恋をしました
そんな風に優しく微笑んで許してもらっても隼人さんを傷つけたことは消せない。後悔で胸が張り裂けそう。
あんなに嫌がってしまった。あんな言い方をしてしまった。
本当にひどいことをしてしまった……。本当に自分が嫌になる。
私なんか、いない方がいい。いなくなってしまいたい。心が痛い。耐えられない……。
耐えられず、反射的に手をあげて自分を叩いた。
「なっ!それはやめてくれ!」
また、隼人に両腕を掴まれた。
「どうして叩くの?」
「……わから、ない」
「お願いだから、やめて」
「……」
雪菜はすぐには答えられなかった。お願いされてもやめる自信なんてない。きっとそう簡単にはやめられない。ずっと律してきたのに、一度始めたら、もう止められない気がする。
雪菜が悩んで黙っていたら、バンッと大きな音がした。
「っ!いってー!」
目の前で隼人が自分を思いっきり叩いたから雪菜は驚いて目を見張った。
「やだ……、やめて」
「雪菜が叩かないって約束してくれたら、叩かないよ」
「そ、んな……」
雪菜が答えられないでいたら、隼人がまた手をあげたから、すがり付いた。
「やめて!もうしない!しないからっ」
「約束だよ。もう絶対に叩かないで」
「……はい」
「目の前で叩かれるの嫌だろ?俺の気持ち、わかった?」
確かにすごく嫌だった。見る側に立って初めて知った。そんなの今まで考えたこともなかった。