嫌われ者に恋をしました

 抱き締める腕に力が入って、キスがだんだん深くなってきた。こんなキスをされたら淡い期待が体の中で疼き始めてしまう。

 朝からこんなの、だめ。

 そのまま柔らかくソファに押し倒されて、雪菜は困って首を振った。

「ダメなの?それとも、ここではダメって意味かな」

 そう言われたら、それもそうだし、それだけじゃなくて……と答えるのに戸惑っていると、勢いよく抱き上げられた。

「きゃあ」

「じゃあ、向こう行こう」

 さっさと寝室に運ばれて、そっとベッドに置かれてしまった。閉じ込めるように体の上に乗られたら、ダメと思っているのに抵抗できない。

「朝から、こんな、だめ」

「前にもしたことあるじゃない」

「で……、でもっ」

「言葉だけじゃなく、愛してることを伝えたいんだ」
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