嫌われ者に恋をしました

 そんな切ない瞳で見ないで。私がいけなかった。私があなたの愛を信じなかったから。

 ごめんなさい、と言おうとしたのにキスで塞がれて言えなくなった。でも、キスをされて大きな手が体に触れたら、自分も求めていたことに気がついた。

 私も伝えたい。愛してるって伝えたい。自分の心を伝えたくて必死に抱きついた。触れる肌も髪も吐息も、全て漏らさず感じ合いたい。

 目を合わせて、抱き締められてキスをして、お互いに触れたいだけ触れて、その気持ち良さに溺れて、求めるままに高まって。

 こんなに幸せな時間を知っていたのに、愛されているのを感じていたのに、どうして疑ってしまったんだろう。

「……ごめん、なさ……」

 吐息交じりで言葉にならない声を出したら、また後悔で涙がこぼれてきた。隼人は雪菜の涙にすぐ気がついて、雪菜の頬を両手で挟んだ。

「泣かないで」

「はやとさんを、傷つけた……。ごめんなさい」

「もういいんだ。でもそういえば、雪菜は俺を傷つけたら泣くんだったね」
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