嫌われ者に恋をしました
そう言われて、初めて食事に行った時のことを思い出した。あの時は感情的になって、隼人さんを傷つけたと泣いてしまった。他の人ではそんなことないのに。
自分では全然意識していなかったけど、もしかしたら、あの時もう既に私は隼人さんに惹かれていたのかもしれない。
「雪菜、愛してるんだ。俺を信じて」
「信じ、てる。……隼人さんのこと」
「もう俺から離れないって約束して。雪菜がそばにいないなんて、耐えられない」
「んっ、……やく、そくするっ」
そのまま、二人とも言葉なんて出てこないまま抱き合った。一緒にこの快感を感じられる。なんて幸せなんだろう。
「雪菜、愛してる……」
セックスは欲望だけじゃなくて愛が介在するとあなたは教えてくれた。こんなに幸せな行為だなんて知らなかった。隼人さんを信じてる。隼人さんを愛してる。
肩にしがみ付きながら、体にかかる重さが嬉しくて、雪菜は幸せに包まれて目を閉じた。
いつもより少し長めのキスをすると、隼人は雪菜から離れた。
体が離れてしまうといつも寂しくなってしまう。でも、隼人さんはすぐに戻ってきて抱き締めてくれる。だから、待ってる。
「……雪菜?」
隼人の声でハッとした。寝ちゃった?でも、ほんの少ししか時間はたっていない。