嫌われ者に恋をしました
「寝てた?……良かった。気を失ったのかと思った」
隼人は心配そうに雪菜を見つめて頬に手をあてた。
一瞬とはいえ寝てしまったせいか、頭が少しぼーっとする。
「……寝ちゃったのかも、です」
「無理をさせたかな、ごめん」
「隼人さんがいじわるをするから、いけないのです」
「だって俺、意地悪王子だからさ」
「……もしかして、その肩書き、気に入ってます?」
「まあね」
そんな肩書きが気に入るなんて、なんだかおかしくてクスッと笑ったら、抱き締めてきた隼人もクスクスと笑った。