嫌われ者に恋をしました
お母さんはすごく自己中心的で、自分のことしか考えていなくて、いつも愛されたい人だった。でも、ちょっと勘違いしていたと思う。
お母さんは彼氏の言いなりになって、言うことを聞いていれば愛されると思っていた。でも最終的には思い通りに愛されなくて、大喧嘩になって、いつもうまくいかない。
お母さんは、相手の言いなりになることを愛だと勘違いしていた。……でも、私に対してはどうだったんだろう。
私たちにはいつも距離があったと思う。私はいつもお母さんを避けていた。だって、機嫌が悪いと八つ当たりして叩いたり怒鳴ったりするから。
巻き込まれないように、お母さんの目につかないように、お母さんの彼氏に見つからないように、できるだけ存在感を消して、息を殺して生きていた。
お母さんだって、放っておいても子どもは育つ、みたいな感じだったし。
でも考えてみたら、あの面倒くさがりなお母さんが私を捨てずにそばに置いていたなんて、それだけで、なんらかの愛着はあったのかもしれない。
それに、こんなところに写真を隠したりして……。
お母さんは愛されたいくせに、人を愛することが苦手だったのかもしれない。
お母さんのこと、受け入れるよ……。わからない部分もたくさんあるけど、それでも受け入れよう。
私とお母さんは、似ているけど似ていない。だから、私がお母さんの分も幸せになってあげる。私は人を愛することができるから。人を愛して愛されることを知ったから。