嫌われ者に恋をしました
隼人が急に観覧車に乗ろうなんて言い出したから、なんかおかしいとは思っていた。でも、約束していたし乗ってみたかったから、雪菜はあまり深く考えず観覧車に乗った。
ゴンドラがフワッと地上を離れたから、雪菜がワクワクして外を見ていると、隼人は突然立ち上がって雪菜の前に立ち、スッと床に片膝をついた。
え……?なに?どうしたの?
「雪菜」
隼人は雪菜の手をそっと取ると、雪菜を見上げた。
なにこれ?向こう側には綺麗な夜景。本当に王子様みたい……。
少しパニックになって何も言えないまま、ただひたすら隼人を見つめた。
「雪菜のことを愛してる」
「……」
まばたきをして息を飲んだ。
「雪菜と出会って、俺は本当にたくさんの幸せを雪菜にもらったよ。雪菜を愛して、雪菜から愛されている幸せを毎日感じる。雪菜の笑顔を見ているだけで、俺はたまらなく幸せなんだ。
俺が雪菜にあげられるのは普通の毎日かもしれないけど、それでも不安なんて感じることのない、幸せな毎日を過ごせるように努力する。
これから先、いろんなことがあるかもしれないけど、雪菜が一緒にいてくれたら俺はきっと何でもできる。雪菜が一緒にいてくれたなら、きっと何でも乗り越えられる。
雪菜のいない人生なんてもう考えられないんだ。雪菜を一生愛し続けると誓う。雪菜を一生守ると誓う。雪菜を幸せにすると誓う」
これって、もしかして……。
「俺と結婚してほしい」
隼人は指輪を取り出した。そんな指輪……いつの間に。
「誓いの指輪、もらってくれるかな」
隼人は少しはにかんだように微笑んで、輝く指輪を差し出した。