嫌われ者に恋をしました

「小泉と仲がいいよね？」

「そうですね。新人研修の時からですから」

「ふーん。いや彼女、君と一緒だと少しは笑うみたいだから」

「あれを笑うと言うなら、そうですね。でも、ゲラゲラ笑ったりはしませんよ」

　確かにそれはないだろう。そんな彼女は想像できない。

「それはそうだろうけど、小泉にしては打ち解けてると思ってさ」

「まあ、私だってここまで打ち解けるのに５年かかってますからねー」

「５年ね……」

　それは敵わないな。

「それに、松田課長がそんな怖い顔してたら、打ち解けるものも打ち解けないですよ」

　まあ、それはそうだけど。俺は一度泣かせてるから、無理なんだよ。

「俺は嫌われてるから、いいんだ」

　ますますムスッとしてしまった隼人を見て、美乃里はニヤッとした。