嫌われ者に恋をしました
「ミノリちゃんがお昼一緒に食べたいなんて、珍しいね」
「たまにはいいじゃん」
「うん」
雪菜はお弁当を自分の机で広げ、美乃里は席を立って外に食べに行った隼人の机を勝手に使っていた。
「ミノリちゃん、何買ってきたの?」
「サンドイッチ」
「そのお店のサンドイッチ、おいしいよね?」
「うん、そだね」
一口が大きい美乃里は、サンドイッチなんてあっという間に食べ終えてしまいそうだった。
「雪菜、課長のお誘い、断ったんだって?」
「!?」
雪菜は驚いた。隼人と美乃里に接点なんてないと思っていた。そんなこと、いつ聞いたんだろう。
「なんで断ったりしたの?関わったら迷惑になるから?」
「……うん」
「雪菜のお母さんの考えはわかんないけどさ、関わって迷惑なんてことはないし、迷惑をかけたっていいと思う。私は、今の雪菜の気持ちが大事だと思うよ」
「でも……」
「雪菜はどう思ってんの?課長のこと、好きなんじゃないの?」
雪菜はうつむいた。
本当は好き。すごく好き。そばにいるのが辛いくらい好き。
そう思ったらまた胸がキュウッと痛くなって号泣した昨日の自分を思い出して、ぽろぽろと涙が落ちてきた。