悪魔王子
タイトル未編集
「あ、あの… 私…

黒影君のこと…ずっと…好きでした…!」

ーまただ。
だから何?僕にどうしろって言うのさ。

君達は、肝心な一言が無いんだよー

「ゴメン…。今は、誰とも付き合う気は無いんだ…。ごめんね…。

ありがとう。気持ち、嬉しかったよ…」


僕は、自分の心境とは真逆のことを言って、微笑んだ。


「……っ!…」

彼女の目からは、大粒の涙がこぼれ落ちていた。

ーめんどくさ…。
だから女は嫌いなんだー


「ごめんね…」

僕は自分の指で彼女の目元を、そっと拭った。

「……っ!…」

彼女は、まだ止まっていない涙を抑えながら、教室を飛び出して行った。


ーやれやれ。本当にめんどくさいなぁ。
まあ、放っておけばいっか。
僕はフったんだし、追いかける必要も、意味も無いよねー



「ただいま」

彼女が教室を飛び出した後、僕は彼女を追いかけることも、彼女のことを心配するでもなく、まっすぐ家に帰宅した。


「おかえりー。 遅かったわね。 もう夕飯、出来てるわよ。 今夜はシチューだから、食べる前に、手をちゃんと洗うのよ」


「…わかってるよ…。もう小学生じゃないんだから、いちいち言わないでよ」


僕はつい母さんに反抗的な態度をとってしまう。

自分でもわからない。


なんであんな言い方しかできないのか。


ーま、いっか。

さて、手を洗って、シチュー食べようかなー
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