好きからヤンデレ
つ、付き合う...それって

「ぇ...あの...ええええ!?」

動揺しすぎて夢かとおもう。
目の前がふわふわしてこれは現実かと自分のほっぺをつまんだ。



痛い。



これは...現実?


「空実さん...こんな俺じゃダメかな?」

「っっっま、まってください!」


電話の向こうは冷静沈着と話を進めるけど私はテンパって今にも携帯をおとしそうだ。


「......だから、俺と男女交際して欲しい。刑事じゃなくて普通のおとこのひととしてみてほしいんだ。」

ゆっくり優しく言う彼の言葉に嘘はないだろう。

男女交際。

それって、私を好きってこと...?

「あ...の、なんで。」

「なんでって?」

「私、その...まだ大学生だし、山田さんはもっと他の美人な女性警察官とかいるじゃないですか...周りにたくさん。」

自分でいいつつ、少し凹む。
やっぱりこれは嘘だと思う。
大学生と言っても背は低いしスタイルだっていい方ではない。
むしろ悪い方だし...

こんな子供っぽい子より、病院でたまたま見かけた女性警察官の方がよっぽど...

「それは、違うね空実さん」

「...へ?」

「...そんなこと関係ないよ?そばにいて欲しい。そう思ったのは空実さんなんだ。」

私だけ...?

携帯を握った手が少し汗ばんだのがわかった。

「でも...」

「俺、自分でも不謹慎だと思う。こんなことダメだとわかっているけど、一緒にいたい。これから、刑事と被害者の枠を超えて...。」

電話の向こうから聞こえる真剣な声に私は信じていいのだろうか?

ぎゅっと携帯を持っていない方の手を握る。

私は、甘えていいの?

こんな幸せに甘えていいの?


ドクン


胸騒ぎがする。


なんだろう



ドクンっ





『そらみっ!!!』








ドクンドクンドクン




...ぇ?


なに?





「......っん!空実さん!?」

「は、はい!」

「どうしたの?さっきから声聞こえないから切られたと思ったらまだ通話中だったし...焦ったよ」

「あ...ごめんなさい」



ふと、なにかに吸い込まれたようななんかそんな気がした。
いまのは何だった?

夢の世界に行った方な不思議な感覚で、どこか懐かしかった。

どうして、こんな時に
なんで...。



きっと...混乱しているんだ。
この状況についていけてない自分がいる。


「ふぅ」


「空実さん?」


小さくため息を着いた私は、携帯をゆっくり持ち直した。


「山田さん、お付き合いしたいです!!」


前に進んでいける。


「ほんとに?」


「はいっ!!」


気がしてたんだ。


幸せになると


思ってたんだ。





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