好きからヤンデレ
空実said
「いたぞっ!!」
の言葉で、
私と彼の境界線が引きちぎれ、彼は涙を流しながら小さく微笑んだ。
「ぇ...」
隣には黒いスーツのおじさんと、
懐かしい仕事着の智治がいた。
「空実さん。」
優しく、私を今までとは違う
空実"さん"
と、そう呼んだ彼には
寒気がした。
恐ろしいほどの怖い顔で。
彼は、私に近づいてきた。
と、同時に、腕や腰、脚に伸びる
無数の手。
「...あばれるな。」
スーツの姿のおじさんは言った。
羽交い締めにされて身動きが取れない。
なにこれ...?
目に涙がたまって、
心が泥のように渦巻いた。
なんで、なんで、わたし
「.....な、んで」
小さくつぶやきながら
斗真に目を向ける。
「...ごめ......ん」
泣いている。
声を殺して、身体中を震わせて。
男の泣く姿はこんなにも
美しく、儚く
胸が痛くなるのだと...
「斗真くん。ご協力、ありがとうね」
ぇ?
智治は
彼の名を呼んだ。
どうしたの?なんで?
状況がつかめない。
なんで斗真は泣いてるの?
なんで智治と斗真が...?
助けてよ。
お願い。
「な、なんで...え、なに。なんで智治がいるの!?」
泣き叫ぶ声は、遠くへ消えてなにも答えてはくれやしない。
手に力を入れても体をひねっても、
この場から逃れる手段がなくて、
智治を睨む眼にも涙が変わらずたまりつづけて
もう何も
分からない。
なんで、こんな事になるの?
あ、喉の奥が熱い。
やだ、話してよ。
斗真が泣いてるの。
私も泣いてる。
どうしてこんなにも
状況がつかめない。
辛い痛い辛い痛い辛い痛い
「斗真っ!ヤダヤダヤダ!!!」
何回も叫んだ。
どれくらい好きだったか。
彼を見れば、智治なんてどうでもいい。
もう、斗真しかいない。
いないのに...
あ、ダメ。
斗真自身が私の支え。
だから...
「ハァハァハァハァ。」
ダメ、力が入らない。
斗真は泣き顔を手で覆い隠しいる。
だけど、しっかりと隙間から伸びる涙で潤うその眼は、
綺麗で........
やっぱり、どうしていいかわからない。
斗真は無限に私の心の居続ける。
「うっうっ」
呼吸が辛くて、叫んだせいからくる喉の痛みも
全て忘れさせてくれるくらい。
気づいたら、彼は智治のそばにいた。
得体の知れない血が、私の唇に垂れた。
「オワリだ。」
そう告げた彼の手は赤く染まっいて、
片手にはナイフを持っていた。
体の芯がぐにゃりと曲げられたように
全ての汗が絞り出された。
ひんやりと
つめたい、血。
ひんやりと
冷たい、彼の表情。
震えた。
「ぁ...」
これは、なんなのかと。
何かの間違いではないか、目を覚ませと
ここに暗示をかけた。
だけどそれは無理難題で、
「空実」
ナイフで智治の首を切った彼は
血の付いた手で私をつかんだ。
そのまま、引きずられるように闇に消えた。
全てが180度回転したように思えた。
斗真のもう一つの顔。
「いたぞっ!!」
の言葉で、
私と彼の境界線が引きちぎれ、彼は涙を流しながら小さく微笑んだ。
「ぇ...」
隣には黒いスーツのおじさんと、
懐かしい仕事着の智治がいた。
「空実さん。」
優しく、私を今までとは違う
空実"さん"
と、そう呼んだ彼には
寒気がした。
恐ろしいほどの怖い顔で。
彼は、私に近づいてきた。
と、同時に、腕や腰、脚に伸びる
無数の手。
「...あばれるな。」
スーツの姿のおじさんは言った。
羽交い締めにされて身動きが取れない。
なにこれ...?
目に涙がたまって、
心が泥のように渦巻いた。
なんで、なんで、わたし
「.....な、んで」
小さくつぶやきながら
斗真に目を向ける。
「...ごめ......ん」
泣いている。
声を殺して、身体中を震わせて。
男の泣く姿はこんなにも
美しく、儚く
胸が痛くなるのだと...
「斗真くん。ご協力、ありがとうね」
ぇ?
智治は
彼の名を呼んだ。
どうしたの?なんで?
状況がつかめない。
なんで斗真は泣いてるの?
なんで智治と斗真が...?
助けてよ。
お願い。
「な、なんで...え、なに。なんで智治がいるの!?」
泣き叫ぶ声は、遠くへ消えてなにも答えてはくれやしない。
手に力を入れても体をひねっても、
この場から逃れる手段がなくて、
智治を睨む眼にも涙が変わらずたまりつづけて
もう何も
分からない。
なんで、こんな事になるの?
あ、喉の奥が熱い。
やだ、話してよ。
斗真が泣いてるの。
私も泣いてる。
どうしてこんなにも
状況がつかめない。
辛い痛い辛い痛い辛い痛い
「斗真っ!ヤダヤダヤダ!!!」
何回も叫んだ。
どれくらい好きだったか。
彼を見れば、智治なんてどうでもいい。
もう、斗真しかいない。
いないのに...
あ、ダメ。
斗真自身が私の支え。
だから...
「ハァハァハァハァ。」
ダメ、力が入らない。
斗真は泣き顔を手で覆い隠しいる。
だけど、しっかりと隙間から伸びる涙で潤うその眼は、
綺麗で........
やっぱり、どうしていいかわからない。
斗真は無限に私の心の居続ける。
「うっうっ」
呼吸が辛くて、叫んだせいからくる喉の痛みも
全て忘れさせてくれるくらい。
気づいたら、彼は智治のそばにいた。
得体の知れない血が、私の唇に垂れた。
「オワリだ。」
そう告げた彼の手は赤く染まっいて、
片手にはナイフを持っていた。
体の芯がぐにゃりと曲げられたように
全ての汗が絞り出された。
ひんやりと
つめたい、血。
ひんやりと
冷たい、彼の表情。
震えた。
「ぁ...」
これは、なんなのかと。
何かの間違いではないか、目を覚ませと
ここに暗示をかけた。
だけどそれは無理難題で、
「空実」
ナイフで智治の首を切った彼は
血の付いた手で私をつかんだ。
そのまま、引きずられるように闇に消えた。
全てが180度回転したように思えた。
斗真のもう一つの顔。